成人発達理論・インテグラル理論・唯識学の学び舎
加藤ゼミナール

【本ゼミナールの目指すもの】
本ゼミナールは、心について一緒に学び、心の治癒と成長の実現に向かって一緒に実践していくコミュニティです。
そしてこのゼミナールでは、近年人口に膾炙し始めている成人発達理論やインテグラル理論の観点に加え、大乗仏教の「瑜伽行唯識学(ゆがぎょうゆいしきがく)」の観点から心の成長について理解を深めていくことを目指しています。
とりわけ唯識学の思想は、成人発達理論やインテグラル理論を含んで超える非常に奥深い実践思想になります。またそれは思想を超えて、私たちの日常に根差した奥深い実践体系を兼ね備えたものでもあります。
ですが、心の成長の妨げになる要素を網羅的かつ精緻に分析し、豊かな心の成長を実現していくための実践方法を提示してくれる唯識思想は一般に難解だと言われます。そんな心の成長理論としての唯識思想を1人で探究を進めていくことはなかなか難しいと思いますので、本ゼミナールをぜひ探究・実践上のペースメーカーとしてご活用いただけると幸いです!
⭐️2025年からは、生成AIをフル活用しながら、受講生の皆さんと成人発達理論に関する種々の論文を読み解き、実践案を創出していく学びと実践の場となっています。
【ゼミナールの開講の思い】
唯識学はこれまで私が長らく探究してきた成人発達理論やインテグラル理論に匹敵する広さと深さを持つ豊かな心の成長理論と実践体系を備えています。私自身、まさか成人発達理論やインテグラル理論を超える心の成長理論があるなどとは想像もしておらず、唯識学と出会った時には本当に衝撃を受けました。
唯識学と出会って日は浅く、私もまだまだ初学者ですので、初学者目線で皆様と一緒に日本の文化遺産‧精神遺産(唯識学は興福寺や薬師寺を中心として日本の法相宗の教義であるゆえ、そのように位置付けています)と言える唯識学を基礎から丁寧に一緒に学んでいければと思います。
唯識学は本来、「大乗仏教の基礎学」という位置付けで、心の詳細な理解と心の修練のために長らく大乗仏教の僧侶たちに親しまれてきた教えになります。基本的に日本の仏教は大乗仏教であり、大乗仏教を構成する二大柱の中観派の空(くう)の思想は依然として僧侶にも親しまれ、一般の人でも般若心経を含めて、空の思想は比較的馴染みの深いものかと思います。
しかしながら、もう1つの大事な柱である唯識派の唯識思想は、古くは最澄‧空海の時代に遡り、鎌倉新仏教の様々な宗派の台頭を受けてどんどん下火となり、今では知る人ぞ知る思想になってしまっています。
個人的にこのような状況を大変残念に感じております。というのも、心を扱う思想体系で言えば、唯識学は間違いなく成人発達理論やインテグラル理論を超えたものであるという確信があり、心を扱う智の結晶としての唯識学は僧侶たちの心の修練に役立つだけではなく、私たち一般の人たちの心の成長に大きく寄与するものだと考えているからです。
かつて成人発達理論やインテグラル理論もほとんど誰からも目をかけられることはなかったように、唯識学も知る人ぞ知る叡智の体系となってしまっていて、多くの人たちに知られないままになっているというのは由々しき事態であり、見過ごすことはできないという思いから、自分の今後の人生を賭けて、どうしてもこれを多くの人に届けたいという思いが日々募っています。そのような思いから、本ゼミナールで唯識学を大事な柱として扱うことにいたしました。
「瑜伽行」という言葉にあるように、唯識学を開拓した人たちは瑜伽師と呼ばれる実践者集団でありました。彼らは当時の仏教が思想的な側面に傾斜する傾向がある点に問題意識を持ち、日常生活に根差した実践をこそ大切にしていました。つまり、日頃私たちが生きている生活世界の中で直面する心の問題をこそ彼らは扱っていたのです。
自分一人でいる時にも、他者と接する時にも、私たちの心は絶えず何かしら動きをみせます。そうした心の微細な動きに注目し、彼らは心の働きとメカニズムを詳細に分析し、そして分析で留まらず、どのようにすれば心の問題を解決できるのかの実践方法を無数に編み出していきました。それは多様な観法行に結実していったことからも分かるように、唯識学は単なる理論体系や思想体系ではございません。兎にも角にも実践を重んじるものなのです。
そうした思いから、心の成長に関する実践をとにかく重んじる唯識学を、対人支援や組織開発の場で活かすことを目的にしたゼミナールを開催させていただくことになった次第です。
何かのご縁でこのゼミナールを通じて唯識学を学ぶことになった方々には深く感謝をし、そのご縁を大切にしながら、唯識学をそれぞれのフィールドで存分に活かしていただければ幸いです。
⭐️以上は2024年までのゼミナールに関する説明となります。2025年からは、生成AIを駆使して、これまで言語の壁の問題から紹介してこれなかった選りすぐりの英語論文を扱いながら、成人発達理論の学び直しを受講生の皆様と行なっています。
とりわけ日本でこれまで紹介されてこなかった数々の発達論者の論文を受講生と一丸となって読み解くことを通じて、理論に対する理解を深め、各人がより豊かな実践を行えるような学びと実践の場が実現されています。
成人発達理論を通じてAIの種々の知性領域を高度化させていくだけではなく、AIを通じて私たち自身の多様な知性の発達を実現していく「AI発達心理学」にご関心がございましたら、ぜひゼミナールのドアを叩いていただけると幸いです。
【心の習い事としての唯識学】
この文章を読んでくださっている皆様は今、心を習うということを日々行っているでしょうか。唯識学は、まさに心について習うことであり、その教えを学び、実践していくことは、「心の習い事」だと形容できるでしょう。
私たちの心は無限に広く深いものであります。そんな奥深い心について学ぶことには終わりはなく、唯識学という心の習い事もまた終わりなきものかと思います。
そんな奥深い習い事を1人で進めていくのは至難の業です。ぜひ本ゼミナールの門戸を気軽に叩いていただき、多様なバックグラウンドをお持ちの他の受講生と共に、心の習い事である唯識学の探究と実践を一歩一歩焦らず一緒に前に進められたら幸いです。
【ゼミナールの進め方】
毎週土曜日に、Zoomでの90分のオンラインクラスを開催します。ゼミナール専用のクローズドのコースページで動画・音声コンテンツをご視聴いただけます。また、コミュニティページで、受講生同士のやり取りも行っていただけます。
クラスに参加できない日があっても問題ございません。アーカイブ動画にてキャッチアップしていただくことができます。ゼミナール受講者の方々は、過去のアーカイブ動画と音声ファイルを何度も繰り返しご視聴いただけます。
各クラスが始まるまでに課題図書を各自でご購入いただき、無理のない範囲で該当箇所の予習をお願いいたします。予習の段階で全てを理解する必要は全くございません。ご自身なりの発見や問いをクラスの中でシェアしていただきますので、そのシェアに向けての準備をよろしくお願いいたします。
【こんな方におすすめ】
・成人発達理論に関心のある方
・インテグラル理論に関心のある方
・瑜伽行唯識学の思想と実践技法に関心のある方
・心について理解を深め、今抱えている心の苦しみや悩みから解放されたい方
・心の成長をどのように実現していけばいいのか悩んでいる方
・心の成長に関する理論と実践方法について知りたい方
・様々な学問領域に対して知的好奇心が旺盛な方
・多様な学びをご自身の成長につなげていくことに関心のある方
・学習·実践仲間を求めておられる方
【コースシラバス】
⭐️過去のコースシラバスはこちらのPDFをご参照ください。
14. 成人発達理論を学び直す
(課題文献)
1. 『自我の発達:包容力を増してゆく9つの段階』
2. “The STAGES Matrix Roadmap: A Contemporary Model of Development Perspectives"
第119回のトピック(2/15/2025: 21:00-22:30):前 - 慣習的な諸段階(The Preconventional Stages)(その1)「イントロダクション」&「段階1:前 - 社会的段階または共生的段階」&「段階2:衝動的段階」&「段階2/3:自己防衛的段階 [日和見主義者]」&「段階⊿ /3:規則志向的段階」
第120回のトピック(2/22/2025: 21:00-22:30):前 - 慣習的な諸段階(The Preconventional Stages)(その2)「段階3:順応的段階 [外交官]」&「段階3/4:自意識的段階 [専門家]」&「段階4:良心的段階 [達成主義者]」
第121回のトピック(3/1/2025: 21:00-22:30):後 - 慣習的な諸段階(The Postconventional Stages)「段階4/5:個人主義的段階 [個人主義者]」&「段階5:自律的段階 [ストラテジスト]」
第122回のトピック(3/8/2025: 21:00-22:30):一体的な諸段階(The Unitive Stages)「段階5/6:構築自覚的段階 [アルケミスト]」&「段階6:一体的段階 [アイロニスト]」&要約
第123回のトピック(3/15/2025: 21:00-22:30):STAGES Matrixの基礎(p.1-11)
第124回のトピック(3/22/2025: 21:00-22:30):発達の反復パターン&具体的階層(p.12-15)
第125回のトピック(3/29/2025: 21:00-22:30):微細的階層(p.16-17)
第126回のトピック(4/5/2025: 21:00-22:30):元因的階層(p.18-19)&さらなる推論的発達階層(p.20)
第127回のトピック(4/12/2025: 21:00-22:30):「AI発達心理学」の個人プロジェクトの発表(その1)
第128回のトピック(4/19/2025: 21:00-22:30):「AI発達心理学」の個人プロジェクトの発表(その2)
第129回のトピック(4/26/2025: 21:00-22:30):個人プロジェクトの発表の続きと今回の講座のまとめと振り返り
15. 成人発達理論大全(シリーズ1):カート・フィッシャーの元祖スキル理論とダイナミックスキル理論を学ぶ
第130回のトピック(5/3/2025: 21:00-22:30):カート・フィッシャーの元祖スキル理論を学ぶ(その1)
(課題文献) “A Theory of Cognitive Development- The Control and Construction of Hierarchies of Skills(認知発達の理論―スキルの階層の制御と構築)”p.477-485(“Concepts for Defining Levels and Transformations(レベルと変容を定義するための概念)”の手前まで)
第131回のトピック(5/11/2025: 17:00-18:30(この日のみ日曜日の開催になります)):カート・フィッシャーの元祖スキル理論を学ぶ(その2)
(課題文献) “A Theory of Cognitive Development- The Control and Construction of Hierarchies of Skills(認知発達の理論―スキルの階層の制御と構築)”p.485-497(“Transformation Rules(変容規則)”の手前まで)
第132回のトピック(5/17/2025: 21:00-22:30):カート・フィッシャーの元祖スキル理論を学ぶ(その3)
(課題文献) “A Theory of Cognitive Development- The Control and Construction of Hierarchies of Skills(認知発達の理論―スキルの階層の制御と構築)”p.497-506
第133回のトピック(5/24/2025: 21:00-22:30):カート・フィッシャーの元祖スキル理論を学ぶ(その4)
(課題文献) “A Theory of Cognitive Development- The Control and Construction of Hierarchies of Skills(認知発達の理論―スキルの階層の制御と構築)”p.507-520(“A Few Implications of the Theory(理論の含意)”の手前まで)
第134回のトピック(5/31/2025: 21:00-22:30):カート・フィッシャーの元祖スキル理論を学ぶ(その5)
(課題文献) “A Theory of Cognitive Development- The Control and Construction of Hierarchies of Skills(認知発達の理論―スキルの階層の制御と構築)”p.520-525
第135回のトピック(6/7/2025: 21:00-22:30):カート・フィッシャーのダイナミックスキル理論を学ぶ(その1)
(課題文献) “Dynamic Development of Action and Thought(行動と思考の動的発達)”p.313-328(“Modeling Nonlinear Dynamic Growth in a Web(発達の網の目における非線形的成長のモデル化)”の手前まで)
第136回のトピック(6/14/2025: 21:00-22:30):カート・フィッシャーのダイナミックスキル理論を学ぶ(その2)
(課題文献) “Dynamic Development of Action and Thought(行動と思考の動的発達)”p.328-346(“The Constructivist Alternative(構成主義的選択肢)”の手前まで)
第137回のトピック(6/21/2025: 21:00-22:30):カート・フィッシャーのダイナミックスキル理論を学ぶ(その3)
(課題文献) “Dynamic Development of Action and Thought(行動と思考の動的発達)”p.346-363(“BUILDING STRUCTURES: TRANSITION MECHANISMS, MICRODEVELOPMENT, AND NEW KNOWLEDGE(構造を構築すること:移行メカニズム・ミクロな発達・新しい知識)”の手前まで)
第138回のトピック(6/28/2025: 21:00-22:30):カート・フィッシャーのダイナミックスキル理論を学ぶ(その4)
(課題文献) “Dynamic Development of Action and Thought(行動と思考の動的発達)”p.363-382(“JOINING NATURE AND NURTURE: GROWTH CYCLES OF PSYCHOLOGICAL AND BRAIN ACTIVITY(氏と育ちを統合すること:心理活動と脳活動の成長サイクル)”の手前まで)
第139回のトピック(7/5/2025: 21:00-22:30):カート・フィッシャーのダイナミックスキル理論を学ぶ(その5)
(課題文献) “Dynamic Development of Action and Thought(行動と思考の動的発達)”p.382-390
第140回のトピック(7/12/2025: 21:00-22:30):成人におけるミクロな発達について学ぶ(その1)
(課題文献) “Always Under Construction: Dynamic Variations in Adult Cognitive Microdevelopment(常に構築中:成人の認知的微小発達における動的変動)”p.141-148(“Patterns in Dynamic Variations(動的な変動性における種々のパターン)”の手前まで)
第141回のトピック(7/19/2025: 21:00-22:30):成人におけるミクロな発達について学ぶ(その2)
(課題文献) “Always Under Construction: Dynamic Variations in Adult Cognitive Microdevelopment(常に構築中:成人の認知的微小発達における動的変動)”p.148-157
第142回のトピック(7/26/2025: 21:00-22:30):ダイナミックスキル理論の発達史に学ぶ(その1)
(課題文献) “The Development of Dynamic Skill Theory(ダイナミックスキル理論の発達)”p.1-13(“Early Growth of the Theory: Variations in Organization and Change(理論の初期の成長:組織化と変化の変動性)”の手前まで)
第143回のトピック(8/2/2025: 21:00-22:30):ダイナミックスキル理論の発達史に学ぶ(その2)
(課題文献) “The Development of Dynamic Skill Theory(ダイナミックスキル理論の発達)”p.13-19(“Later Growth of the Theory: Dynamics of Variation(理論の後期の成長:変動性のダイナミクス)”の手前まで)
第144回のトピック(8/9/2025: 21:00-22:30):ダイナミックスキル理論の発達史に学ぶ(その3)
(課題文献) “The Development of Dynamic Skill Theory(ダイナミックスキル理論の発達)”p.19-26(“Dynamic Construction of Dynamic Skill Theory(ダイナミックスキル理論の動的な構築)”の手前まで)
第145回のトピック(8/16/2025: 21:00-22:30):ダイナミックスキル理論の発達史に学ぶ(その4)
(課題文献) “The Development of Dynamic Skill Theory(ダイナミックスキル理論の発達)”p.26-29
第146回のトピック(8/23/2025: 21:00-22:30):「AI発達心理学」の個人プロジェクトの発表(その1)
第147回のトピック(8/30/2025: 21:00-22:30):「AI発達心理学」の個人プロジェクトの発表(その2)
第148回のトピック(9/6/2025: 21:00-22:30):個人プロジェクトの発表の続きと今回の講座のまとめと振り返り
【加藤ゼミでしか視聴できない特別コンテンツ】
本ゼミナールの受講生の方々だけに「加藤ラジオ/加藤TV」という様々なテーマやトピックを扱った音声動画コンテンツを共有しております。
2025年1月14日時点において、約3200個の音声動画コンテンツがございます。受講生の皆様は過去のクラスのアーカイブ動画だけではなく、こちらの音声動画コンテンツも何度もご視聴いただけます。
⭐️コンテンツ一覧PDFはこちらより
【プロフィール】
加藤洋平(成人発達学者)
略歴
東京都御茶ノ水生まれ。小学校から高校まで山口県光市室積で過ごす。
一橋大学商学部経営学科卒業後、デロイト・トーマツにて国際税務コンサルティングの仕事に従事。退職後、米国ジョン・エフ・ケネディ大学にて発達心理学とインテグラル理論に関する修士号(MA. Psychology)、および発達測定の資格を取得。オランダのフローニンゲン大学にてタレントディベロップメントに関する修士号 (MSc. Psychology)、および実証的教育学に関する修士号を取得 (MSc. Evidence-Based Education)。
現在、オランダのフローニンゲンに在住しながら、成人発達学と瑜伽行唯識学の研究を行っている。
出版書籍
・(2023年4月出版)『成人発達理論から考える成長疲労社会への処方箋 新自由主義的社会における「人生を豊かにする」実践的成長論』(日本能率協会マネジメントセンター)
・(2019年6月出版)『インテグラル理論 多様で複雑な世界を読み解く新次元の成長モデル』(日本能率協会マネジメントセンター)
・(2019年1月出版)『リーダーシップに出会う瞬間:成人発達理論による自己成長のプロセス』(日本能率協会マネジメントセンター)
・(2017年6月出版)『成人発達理論による能力の成長:ダイナミックスキル理論の実践的活用法』(日本能率協会マネジメントセンター)
・(2016年3月出版) 『なぜ部下とうまくいかないのか:「自他変革」の発達心理学』(日本能率協会マネジメントセンター)